今回は、一般住宅における「水道管」について水道管の種類や漏水時の対処方法などを書いてみたいと思います。
なお、分かりやすさを重視で書いていますので、
- 厳密には言えば違う
- 正式名称ではない
- 地域によって呼び方が違う
などがあるかもしれませんがご了承下さい。
水道管とは?
わざわざ説明するまでもないですよね。蛇口をひねれば出てくる、普段私たちが使っている「水」。
これが通っている管です。
浄水場というキレイな水を作る場所から、各家庭まで道路の下などを通り、各家庭へと繋がっております。(横浜市の浄水場)
また、トイレの汚水や台所・浴室などの雑排水などの事を「下水」と言う事に対して、水道の事を「上水」と言ったりもします。
水道管の種類について
一般に水道管と言われている管は、一般住宅では2種類に分ける事があります。
一つは水道メーターから、そのまま各蛇口まで繋がっている、出すと通常の水が出る「給水管」
もう一つは、給湯器(水をお湯に沸かす機械)から各蛇口に繋がっている、出すとお湯が出る「給湯管」
この2種類を区別する事があります。
水道管の素材について
一般住宅の宅地内に使われている水道管の素材の多くは、
- 鉄管(給水管で使われている事が多い)
- 銅管(給湯管で使われている事が多い)
- 鉛管(古い家で使われている。現在は健康被害が出る為、絶対に使わない)
- 塩ビ管(給水用の塩ビ管、給湯管の塩ビ管などの種類がある)
- ポリブデン管、架橋ポリエチレン管(給水・給湯どちらでも使う)
他にもありますが、多くの家庭で使用されているのが上記の管です。
水道管の異種金属による接続(電蝕反応)
種類の違う金属の管を繋ぐと、電蝕と言って著しく劣化が激しくなります。
一般家庭でよく見るパターンとしては、鉄管と銅管を繋いでいる事でしょうか。
メーカーからも異種金属をそのまま繋がないように言われていますし、ほとんどの設備屋さんはそのような繋ぎは避けますが、あまり気にしない職人さんも多いみたいで(特に昔は)、これが原因と思われる漏水も多いです。
普通はご自分の家の水道管がどういう種類の管をどういう繋ぎ方をしてるか把握している人はいないかと思いますが、水を出した時に錆の量が著しくひどい場合には、電蝕が起きている可能性があります。
漏水が起きた場合の対処法
万が一漏水が起きた場合ですが、
- 床下、天井、壁の中から水が出てきている。もしくは水が出ている音がする。
- 庭や、駐車場などの外の地面から水があふれてきている。
これらの緊急の場合には、水道メーターのバルブを止めましょう。
水道メーターの場所は?
水道メーターの場所はご自宅により、様々な場所にあります。ですので、一概には言えないのですが、
- 戸建ての場合は、敷地内の道路側
- マンションの場合は、共用部の廊下からみて玄関ドアの横付近
- 木造アパートの場合は、一階の廊下や駐車場
これらの場所にある事が多いですが、建物の立地や設計によっては全然違う場所にあるかもしれません。
ただ、少なくとも検針の時に使用しているので、建物の内部や開けるのに鍵が必要なフェンスなどの中などにではないと思います。水道局の検針の時に容易に確認出来る場所にあるはずです。
水道の止め方は?
この際に硬くて動かない場合があるかと思いますが、力任せに動かすとレバーが折れる可能性があるのでご注意下さい。
漏水した時は誰に修理を依頼する?
漏水が起きた場合には、ほとんどの方は業者さんを手配する事になるかと思います。
その際に気を付けて頂きたいのは「指定工事店」に必ず依頼して下さい。
指定工事店とは?
指定工事店とは、その地域の水道事業者(水道局)から指定を受け、工事をする事を認められた工事店です。
指定工事店以外は水道管を工事してはいけない事になっています。必ずお住まいの地域の指定工事店に依頼して下さい。
漏水した時は 修理?引き直し?
- 水道管が破裂した
- 水道局から漏水を指摘された
など、漏水が起きた時には業者を手配する事になりますよね。
その際に業者さんから「引き直し工事」を勧められる事があります。
引き直し工事とは?
引き直し工事とは、簡単に言えば水道メーターから各蛇口に新たに水道管を新設する工事です。
既存の水道管は、水道メーターから地面を通り、床下、天井裏、壁の中に入って各蛇口へと繋がっております。
水道管にも寿命がありますので、寿命が来たからと言って既存の管を全て撤去して、新たに同じルートで水道管を配管しようとすると、床や天井、壁を解体する費用、またそれらを全てキレイに復旧する費用の方が配管費用よりも間違いなく掛かります。
そこで、水道管の寿命が来て水道管を替える時には、既存の管はそのままにして、新たに別のルートで配管する事で、配管費用以外の費用を大きく減らす事が出来ます。これが「水道管の引き直し工事」です。
引き直し工事のメリット・デメリットは?
漏水が起きた時に、引き直し工事をするメリット・デメリットをまとめてみました。
メリット
- 漏水箇所を特定する必要が無いので、漏水調査費がかからない。
- 基本的に全ての水道管が新しくなるので、老朽化による漏水の心配が無くなる
- 使いにくかった蛇口の位置の変更や、新たに蛇口の新設などが一緒に出来る
デメリット
- 修理で終わった場合に比べると費用がかかる
- 壁の中に配管しないので、外壁に配管する事になり見栄えがあまり良くない
漏水を修理で直した場合のメリット・デメリットは?
漏水を修理で直した場合のメリット・デメリットもまとめてみました。
メリット
- 引き直し工事に比べれば費用は安い
- 修理箇所以外は工事が必要ない
- 引き直し工事が数日かかるのに比べ、短い工期なのでストレスも少ない
デメリット
- 漏水箇所を特定するのに時間がかかり、漏水調査が修理費より高くなる場合がある
- 漏水調査をした結果、場所の特定が出来ない、もしくは特定出来ても修理不可の場合がある
- 修理した部分以外は古いままなので、また違う場所で漏水が起きる可能性がある
漏水が起きた場合は結局どっちがいいの?
漏水が起きた場合に、修理をするか引き直す方がいいか。それは一概には言えません。
ご自宅の築年数や構造、間取り、水回りの数や数年後に建て替える予定、もしくは売って引っ越す可能性などの事情も違いますし、もちろん予算の問題もあります。
ですので、手配した業者さんにご自分の考えを伝え、しっかりと打ち合わせした方がいいかと思います。